インターネットが全盛の社会となり、必要な情報の収集を、ネット検索で済ませる人が大半の時代になりました。
しかし、読書をすることで知見を得ようとする人も、決して少ない人数ではありません。
そして、せっかく読書をするのであれば、本を読むスピードをあげて、より多くの情報を吸収したいと感じている人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、本を読むスピードを少しでもあげたいという人へ向けて、本を読むスピードを向上させることで得られるメリット、加えて、本を読むスピードを速くする方法などを解説していきます。
日本人の平均的な本を読むスピード
本を読むスピードを速くすることで得られるメリットなどの解説に先立ち、まずは、日本人の平均的な本を読むスピードの説明をしていきましょう。
日本人の平均的な読書の速度は、およそ1分間に400文字から800文字と言われています。
文庫本では1ページあたりの平均的な文字数が600字程度ですから、私たちは1分間に1ページくらいの割合で読んでいると考えられます。
つまり、本を読むスピードをアップさせるということは、少なくとも1分間あたりに読み込む文字数を、400文字未満にすることを目指すということになります。
スピードとページ数の関係性
本を読むスピードとページ数の関係性について、もう少し踏み込んだ解説もしていきましょう。
ここでは、本を読むスピードの算出方法について数式を示して解説します。
本を読むスピードの計算式は下記の数式で測定することができます。
「600÷自分の読書時間(秒)×60=1分間あたりの本を読むスピード」 |
もし、自分の本を読むスピードが気になった場合は、上記数式をもとにして速度を測定してみてください。
きっと、よい目安となるはずです。
本を読むスピードをあげれば数々のメリットがある
続いて、本を読むスピードを速くすることで得られるメリットについて解説していきましょう。
本から得た学びを実行に移す時間が持てる
本を読むスピードが向上すれば、それだけ多くの時間の余裕が生まれます。
したがって、その時間を利用して、本から得た学びを実行するための時間を持てるようになります。
時間は誰でも1日あたり24時間という制約がありますが、本を読むスピードを上げることで、同じ制約の中でもアクティブに活動することができ、ひいてはビジネスや学業で周囲に大きな差をつけることができます。
また、本を読むスピードが上がると、複数冊の本を一気に読み込むことも可能です。
そのため、多数の本から学習したことを一度に実践することができ、飛躍的な自己成長につなげることもできます。
短時間の読書で済むため投げ出すことがなくなる
短時間の読書で一冊の本を読み終えられるようになれることも、本を読むスピードを速くすることで得られるメリットの一つです。
なぜなら、短い読書の時間で本を読み終えられるということは、途中で本を投げ出してしまうことを予防できるからです。
とくに、難易度の高い本を手に取ったときなどは、内容を理解するために時間をかけながら読みがちになってしまうため、読んでいる最中で飽きがきてしまいます。
その点、本を読むスピードが発達していれば、同じ時間でも、より多くのページを読み進めることができ、結果として、飽きる前に完読にいたることができます。
知識量そのものが増える
知識量そのものが、どんどん増えていくことこそ、本を読むスピードの持つ最たるメリットではないでしょうか。
知識は人生を生き抜いていくための、最大の武器の一つです。
その知識を得るための速度が、本を読むスピードを速めることで驚異的な速度で増加するのですから、仕事にもプライベートにも大変なよい影響を与えてくれます。
本を読むスピードを上げる方法5選
次に、本を読むスピードを上げる方法の紹介に移っていきます。
こちらの項では、本を読むスピードを速くするための方法の中でも、実践的なものだけを選り抜いて5点取り上げてまとめました。
読書速度を測定して可視化する
本を読むスピードを効率化するためには、まずは自分が本を読むのにどのくらいかかっているのかを、把握しておく必要があります。
なぜなら、自分の本を読むスピードを測定して可視化しておかなければ、どれくらいの速度を目標にすればよいか、判然としないからです。
したがって、まずは一度、上で紹介した計算式を使用して、自身の本を読むスピードを計ってみてください。
速度を測ったら読む時間の目安を決める
さて、自分の本を読むスピードを測定し終わったのなら、今度は読み進めていく際の目安を決めましょう。
前述のとおり、日本人の平均的な本を読むスピードは、1分間あたり400字から800字です。
差しあたっては、1分あたり350字程度を目標にして、本を読むスピードの効率化を図ってみてはいかがでしょうか。
50字ほどのスピードアップであるなら、訓練すれば容易に到達できるはずです。
「返り読み」をなくして本を読むスピードの底上げをする
読書をしている際、同じ行を何度も読み返してしまった経験は、誰しも一度くらいはあるはずです。
このように、同じ行を何度も読んでしまうことを、「返り読み」と言います。
返り読みは、読書の理解をより深める目的で、あえて行う人も一定数います。
しかし、返り読みを繰り返してしまうと、読書に余計に時間がかかってしまうことは、言うまでもありません。
そのため、返り読みばかりを繰り返していては、本人は読書の理解度が深まっているつもりでも、時間ベースで考えたときの知識の吸収量が相対的に減少してしまうため、本を読む意味が薄れてしまいます。
したがって、本を読むスピードの向上を果たすためには、この返り読みを防止する必要があります。
返り読みを防止するには、人差し指や紙などを使って、左から右にかけて文章を隠しながら読み進めていく方法を取るのが有効です。
この方法を行うことによって、どこの行を読めばよいのか明確になりますから、返り読みを防止するためのよい訓練になります。
注目ポイントを絞って高効率に本を読む
本を読むスピードを速くするためには、注目ポイントを絞って本を読み込むことも効果的です。
この方法は、本を読み出す前に一旦、見出しをチェックして事前情報を仕入れてから、読みはじめるというものです。
したがって、上記方法を取り入れることにより、本の内容のおおよその部分を掴んだ状態で、読書をスタートさせることができます。
そのため、自然と本を読むスピードの向上につながり、ひいては上述した様々なメリットを得ることにも結びつきます。
ちなみに、見出しの中で自分には必要のないと思われる章があった場合は、切り捨てても一向にかまいません。
本一冊に含まれる、すべての情報が本当に得たい情報であるとは限りませんので、いらないと判断できる情報は読み飛ばしていき、本を読むスピードをどんどんアップさせていきましょう。
興味のある本を読む
人間は自分の興味のあるものに対しては、強烈な引力で引き寄せられる生き物です。
とくに、好奇心をかき立ててくる情報には目がなく、知らぬ間に近づいていってしまいます。
そのため、興味のある本を手当たり次第に読み進めるのも、本を読むスピードを速くするうえでは大変、有効な方法になり得ます。
そして、この方法を取り入れる際は、「今月は○○月間」という風に、1ヶ月間は特定のジャンルの本だけを読んでみるのもおすすめです。
1ジャンルあたり20冊くらいを目安に書籍を読み込めば、専門家とは行かないまでも、それに準ずるくらいの知識量は得られますので、気が向いたら試してみてください。
文字を指でなぞりながら読む
文字を指でなぞりながら読むことも、本を読むスピードを効率的にしてくれる方法の一つです。
このように書くと、「子どもっぽくて嫌だなあ」と感じる方もいるかも知れませんが、一度でも試してみると、自分の本を読むスピードの上達の速度に驚くはずです。
また、指を差すことで視覚と一緒に触覚も同時に刺激を受けます。
視覚と触覚は、神経が密接につながりあっていますので、同時に刺激してやることで学習の成果がより一層高まります。
接続詞に注目して要点を押さえる
本の著者の主張は、接続詞の周辺に集まっているのが一般的です。
接続詞には、「しかし」や「つまり」、「そして」などが代表的な言葉としてあげられます。
これらの接続詞の後ろには、話しの内容の核心に迫る文言が続くことが多いため、ここを重要項目と捉えて読むことで、要領よく要点だけを学ぶことが可能です。
したがって、自ずと本を読むスピードも速くすることができ、一回の読書タイムでたくさんのページを読めるようになります。
本を読むスピードをあげて、読書力をあげよう
今回の記事では、本を読むスピードを上達させたい人へ向けて、日本人の平均的な本を読むスピードを説明するとともに、本を読むスピードを速くすることで得られるメリットや、読むスピードをアップさせるための方法を解説してきました。
本を読むスピードを上げていくことで、本から得た学びを実行に移す時間を確保できたり、知識をどんどん吸収して、自分の成長につなげていくことができます。
そしてなにより、本から得た知見は人生における最大の武器の一つになり得ますので、ぜひ一冊でも多くの本を読んで、一つでも多くのことを学び、一回でも多くの行動を起こして、より満たされた毎日を手に入れてください。
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