「文章を整理して、相手にもっと分かりやすく伝えたい」
「箇条書きや、句読点の使い方が分からず困っている」
このようなお悩みを抱えている人は、資料作成に追われるビジネスマンや、公文書の作成に忙しい公務員の方々など、様々な職業で広く見受けられます。
そこで今回の記事では、上記のようなお悩みを抱えている方々へ向けて、箇条書きと句読点の正しい使い方を詳しく解説していきましょう。
句読点の理解度は箇条書きの分かりやすさに直結する
まずは、句読点の解説から入っていきます。
なぜなら、句読点の使用法をしっかり把握しておくと、後述する箇条書きの解説の理解度が深まりやすくなるからです。
加えて言うと、句読点の理解度は、明瞭な箇条書きの作成スキルにも直結するためという理由もあります。
そこで本項では、句読点の基本的な知識と使用するうえでの注意点などを、まとめて紹介していきましょう。
そもそも読点とは?
最初に、読点の解説を行っていきます。
読点は、文中にある語句や文節の関係の明確化を図る目的で使用されるのが一般的です。
上記のように打つことで、作成した文が読みやすくなると同時に意味が明確になり、読み手の負担が軽減されるといった効果があります。
たとえば、
「あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山に芝刈りにおばあさんは川に洗濯に行きました。おばあさんが洗濯をしていると川からモモが流れてきました。」 |
という文章では、語句がひたすら連なっていて読み手の負担が大きくなってしまい、最後まで読んでもらえません。
そこで読点の出番というわけです。
下記のように、
「あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きました。おばあさんが洗濯をしていると、川からモモが流れてきました。」 |
といった具合に、たった三か所に読点を打っただけでもだいぶ読みやすくなります。
このように読点は、文中に適切に打つことで文章を読みやすくしたり、意味を正しく伝える効果があるのです。
読点を使ううえでの注意点
読点に関する解説を終えたところで、使用するうえでの注意点についても見ていきましょう。
先ほど、読点は文中にある語句や、文節の関係の明確化を図る目的で使用されると説明しました。
しかし、読点を多用しすぎると、逆に理解しにくく、読みにくい文章になる可能性があるため注意しなければなりません。
再度、一例をあげますが
「読点を、多用しすぎると、逆に、理解しにくく、読みにくい、文章に、なります」 |
といったように読点を打ち過ぎても、くどくどしい文章になってしまいます。
読点を使用する際は、打ちすぎに気をつけて読みやすい文章を作成できるようにしましょう。
そもそも句点とは?
続いて、句点の解説に移っていきます。
句点は、文末に用いるのが一般的です。
文末に句点を打つことで、文章がそこで区切られていることを示すことができます。
映画やドラマなどの「カット割り」をイメージしていただければ、分かりやすいのではないでしょうか。
句点を使ううえでの注意点
さて、上記のように文末に用いる句点ですが使用するうえでは、読点と同様に留意しなければいけない点があります。
主な留意点としてあげられるのが、カッコ内の文章の末尾や図、グラフ内の説明文にはつけないということです。
また、公用文では、基本的に句点と全角コンマを混在させてはいけない、といったルールもあります。
これらの留意点を踏まえて、作成文に誤りが出ないように気をつけてください。
箇条書きを使う上で気をつけるポイント
句読点の解説を終えたところで、箇条書きを使う上で気をつけるポイントについても見ていきましょう。
全体像を想像する
箇条書きは、一般的に文章の持つ意図を、相手に伝えやすくするために使われます。
そのため、まずは箇条書きの全体図を、想像する作業から入らなければいけません。
この作業を怠ってしまうと、情報が秩序立てのない状態で並んでしまうため、かえって理解しにくいものになってしまいます。
このことから箇条書きを用いるときは、どんな情報をどういった順序で示していくか、最初にイメージしておく必要があります。
階層構造を意識する
箇条書きを文中に入れるときは、階層構造も意識しましょう。
階層構造を意識した箇条書きとは、
◎太陽系の天体
|
といったように、広範な情報から子細な情報へ向かって並べていくものを指します。
このように並べることで、太陽系には、どのような天体があるのか一目瞭然となります。
時系列順に並べる
箇条書きを挿入する際には、時系列順に並べることも忘れてはいけません。
時系列を無視して箇条書きを作成してしまうと、わけのわからないものが出来上がってしまいます。
たとえば、カレーライスの作り方をレクチャーするとして、
|
上記のような箇条書きは、時系列がバラバラでレシピの意味を成しません。
箇条書きを使用する際は、時系列をしっかり確認してから用いるようにしましょう。
『体言止め』と『用言止め』を使い分ける
情報を整理して誰かに伝える際、とても役立つ箇条書きですが、『体言止め』と『用言止め』の適切な使い分けもしなければいけません。
体言止めとは、名詞が末尾に置かれる文体です。
たとえば、下記のような文章が体言止めを使用した文体の典型例です。
机の上に置かれたりんご。 |
この体言止めを用いることでリズム感が生まれ、より読みやすく、かつ分かりやすい箇条書きに磨き上げることができます。
一方、用言止めとは述語が末尾に置かれる文体です。
述語とは、動詞や形容詞、そして形容動詞が該当します。
基本的な使い方は体言止めと一緒でかまいせんが、文末が変化する点には注意しておきましょう。
箇条書きの基本と応用!句読点との使い分けを解説
ここまでは、句読点と箇条書きの使用法などについて解説してきました。
そこで、ここから先は上述した事項を踏まえながら、例文について見ていきます。
ビジネスシーンでの例文
まずは、ビジネスシーンにおける例文の解説から入っていきましょう。
こちらの項では、会議での資料作成時の場面を想定し、消費者の満足度調査を例として、下記の文章を箇条書きに直したものを提示します。
消費者100人へ満足度調査を行った結果、満足していると答えた人は69%、不満足と答えた人は24%、どちらでもないと答えた人は7%だった。
というデータであった場合、
といった要領で箇条書きにすることで、強調したい部分が明確になり、とても分かりやすい資料になります。
公用文・論文での例文
次に、公用文と論文の例文についても解説していきましょう。
最初に公用文の解説から行いますが、公用文の場合、箇条書きの基本ルール以外にも、漢字の使い方や用語の使い方などに様々な決まりがあるため、事前にそれらを踏まえておく必要があります。
一例をあげると、漢字の「活かす」は「生かす」と使わなければいけませんし、「解る」も「分かる」と使わなければいけません。
加えて、用語もなるべく平易なものを用いるよう定められており、「欠如」は「不足」と変換するという決まりになっていますし、「促進する」も「進める」と変換する決まりになっています。
なにかとルールが厳しい公用文ですが、これらのような規則に従わないと正しい箇条書きを作れませんので、国が発行しているガイドラインには一度目を通しておきましょう。
さて、このような厳格な掟のある公用文ですが箇条書きを用いる場合の例として、全国の大学における学長へ、文書送達する際の宛先を、一括表記する場面を想定して下記に提示します。
各 都 道 府 県 国 立 大 学 大 学 長 各 公 立 大 学 学 長 殿 各 都 道 府 県 私 立 大 学 学 長 |
公用文では、このような用例になりますが、各項目の最初と最後の文字の位置を揃えるのが、ポイントです。
次に、論文を作成する際の箇条書きですが、基本的に論文では箇条書きは用いません。
どうしても箇条書きを使用しなければいけない場合は、「○○は、以下の2つに別れる」といった具合に一度、本文中で述べてから使ってください。
たとえば、国内の医学部を設置している大学の種類を、想定した場合の箇条書きでは、下記のようなものになります。
国内における医学部を設置している大学の種類は、以下の3つに別れる
|
論文作成において、やむを得ず箇条書きを使用するときは、上記のような要領で作成するとよいでしょう。
箇条書きと句読点を使い分けられるようになろう
今回の記事では、箇条書きと句読点の役割や使用する際のポイント、そして例文を紹介してきました。
読点は、文中にある語句や文節の関係の明確化を図る目的で使用されるもので、上手に使用することで文章がより読みやすくなります。
句点は文末に打つことで、文章がそこで区切られていることを示すものです。
また、箇条書きは語句を並べて表記し、文の持つ意味を、より伝えやすくするために使われます。
それぞれに使用時の注意点もありますので、きちんと配慮しながら作成し、箇条書きと句読点の使い分けをマスターしてください。
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